恋愛のやり直し方

ほんの数秒の沈黙の後、フッと乾いた笑い声がすぐ近くからした。



「アンタ処女じゃあるまいし、何を今さらーー」





暗闇にいくらか慣れてきた目には、冷たく光る男の目が見えてきた。


全く動揺する気配もないその目は、『もう駄目だ』と諦めさせるには十分だった




ここから叫んでも外には聞こえない。逃げてもすぐに捕まってしまう。


どう考えても助かる案なんて見当たらなかった。



絶望的なこの状況に、足から力が抜けて、ヘナヘナとその場に崩れ落ちた。





「その気になった?」



すぐ近くにある男の体温が少し上がったように感じる。





頭の中は後悔だらけ。

何故あんな場所で休んでしまってんだろ…


何故パーティーなんかに来ちゃったんだろ…




震える体にお構い無しの男は、ガシッと私の肩を抱くと、すぐそばにあったソファーに座らせる。



労りが全然感じられない。
まるで物を扱ってるように何の感情もないその所作に、恐怖よりも悲しさと怒りが込み上げる。





こんな扱いを受けるなんて冗談じゃない!


抵抗しない私に、安心しきっていた男の顔目掛けて自由になった腕を振り上げたーー