「森嶋さん、アレね編集者としての竜の姿だよ。アイツ原稿のことになると人が変わっちゃうから」



「えっ!そうなんですか?」




友田の言葉を聞いてからもう一度竜くんの姿を見る。





ああ、確かに言われてみれば、真剣に原稿に向かい合ってるとも見れる。






「いつもの竜と雰囲気違い過ぎだろ?社内で期待のホープなんだってさ。ちょっと納得だろ?」



「ああ、はい」




「編集部希望で入社したけど、最初は営業だったらしいよ。そこから編集部に起用されるってめったに無いらしい。

まぁ、それだけ本人が頑張ったんじゃない?」





この前、編集者になった理由を話してくれた竜くんの顔が浮かぶ。




「ホントに本が好きなんだ……」




「森嶋さんもでしょ?」


「えっ?私ですか?」