だって、あのちっちゃい顔にクリクリした大きな瞳。

ぷっくりした唇。


ゆるくかかったパーマの栗色の髪。


抱いたら気持ちいいんだろうなーっていう、小ぶりなサイズなのに、エロイ体つき。


あまりしゃべらないから、いまいちつかみ所がないけれど、男女ともに好かれているから、性格もいいんだろう。


なんていうか。


よくできた子なのだ。


加えて、学業も優秀で、特待生という話だ。


そこに、自分のコンプレックスを刺激されてしまって、近づけさえしないでいる。


世間知らずで、ガリで、身長だって対して高くない。顔だってイケメンとは言い難いし、成績も、伸び悩み。


加えて病気がち。


家が金持ちっていうのは、加点対象だろうか?


うーん。ただの嫌みな気もする。。。


でも、自分には、誇れるスペックなんて、何にもない。





僕なんかが、好きになるのもおこがましい。


そんな苺ちゃんに膝枕されてしまうなんて。



恥ずかしいんだか、情けないんだかで、思わずうめく。



「ちょっと!中村!吐くならトイレ行ってよ!!」


パーテーション越しの頼子先生の声が、今日は冷たい。