思わず、上体を起こし、彼女を凝視してしまう。


苺ちゃんは、少し身体をこちらに向け、潤んだ様な目でこっちを見ている。


自然と、視線が下を向く。



ミニのプリーツスカートと、黒のニーハイから覗く絶対領域。


彼女の太もも。


白くて。


すべすべで



毛穴も見えない。


柔らかいんだろうな。。。


瞬時に妄想し、少し頭痛が和らいだ気がした。



しかし。



いやいやいや。ないでしょ。


ましてや講義中の階段教室で
そんなシチュエーション。


腕を伸ばし、


「大丈夫」


彼女の筆跡の隣に走り書きする。


が、

書き終わるより早く、腕を引っ張られ、小声で囁かれる。



「いーから、ねるっ!」



半ば強引に、彼女に膝枕してもらう形になった。



衝撃に、和らいだ頭痛と悪心が戻ってくる。



揺れる視界。



廻る天井。



見上げる先には彼女。



「せんぱい、かお、真っ青ですよ。」


苺ちゃんが、小声でささやくが、あまりの驚きと恥ずかしさで、顔を見られず、苦痛に堪えるふりして目を固くつぶる。



「ちょっと良くなるまで、そうしててくださいね。」


そう言うと、彼女はノートをとるのに集中しはじめたようだった。


隣で、ヨネの「な、なにやって。。。」という動揺した声が聞こえた。


僕の頭痛はいよいよ本格的になり、脈打つ痛みで何も考えられない。