きみが好きと言ってくれるなら

「。。。さっきの、答え?」


我ながら、間が抜けた返事をしてしまう。


情けないことに彼女が、肩を寄せている方の半身はがちがちで。


自律神経まで乱れてきたのか、両手は汗でだくだくだ。


なんせ、医学部に受かるまで勉強しかしてこなかった、童貞なもんで。


あああ、もう、女の子なんてわかんねぇよ!


この、肩に乗っかるほっぺたのぷにぷにをどうしたら!


苺ちゃんの方を、直視できずにいると、


「昼間のお返し、してもらいますよ」


そう、いたずらっぽく言うと、僕の膝の上にころんと寝転んだ。


「ひざまくら~」


はしゃいだ声を出したあと、うつむいた僕と、がっつり目が合う。



「。。。もう、言わないですよ?」



そして、僕の首に手を回し、柔らかい唇を重ねる。


キス。


お互い、目を開けたままだった。


時間にしたら五秒くらいだったんだろう。


彼女が、突然、恥ずかしがるように背を向けた。


「せんぱいのことが、ずっとずっと、好きだったの!」


そう言って、顔を真っ赤にする苺ちゃん。


あー、もう。サークルの苺オタクに刺されようが、首しめられようが、もういいや。