苺ちゃんは、ひとしきり笑ったあと、ちょっと真顔になってノートを取り出した。


苺柄の。


おい!ぶれないなぁ!


「さーてと!」


「ねぇねぇ、せんぱい、いつも身体の不調ってどんなのです?」


上目遣いで訪ねられ、心臓が跳ね上がる。


「頭痛、貧血、喘息、花粉症」


まくし立てるように、答えると



そういうんでなくてぇ!と、むくれながら言う。



ああ、もういちいち可愛いのやめてくれー!



「いいです、じゃー聞いていきます!」



問診のように、矢継ぎ早に質問をされる。


睡眠時間、好きな食べ物、嫌いな食べ物、飲んでいる薬。


タバコを吸っているか、との問いは少しうろたえながら、


「。。。吸ってませぇん」


と答えると、


「マイセンでしたよね。」


と、ちょっときつく返される。


ひとつひとつの設問を、ノートに書き取りながら、スマホで調べものをしていた苺ちゃんが、一通り終えると顔を上げる。


「じゃあ、行きましょっか」


カフェを出るのかと、伝票を持った僕に、苺ちゃんがとんでもないことを言い出した。


「せんぱいの家、調理器具ってありますよね?」



面食らって何も言えずにいる僕に、お構いなしで畳み掛ける。



「今からお邪魔して、ごはん作りますね。」


ニコニコ。


なんだこれ?


エロゲーフラグ立った?