「視えるんです」



ぜんっぜん物静かじゃない!! むしろ逆!!

真っ黒なオーラが怖いくらい揺れてるじゃないですか!!

体を貸せって、そんなの出来るわけないじゃん……!!
もうね、ヤバい雰囲気が漂ってる!!


害はないって言いつつ、実は害ありすぎなんじゃないかっ!?
この人、実は悪霊なんじゃないか!?




「ほら、5秒でいいから貸してみろ」

「無理です無理です!! あり得ません!! 絶対それで済まないくせに!!」

「大丈夫だ、俺は嘘つかない」

「っていうソレがもう嘘っぽいです!!」




あぁもうどうしよう。

本田先輩、助けて……。



……って、あ!!
そうだよ本田先輩だよ!!

電話する約束だったし、今こそ『何かあったら』だ!!




「電話っ……電話しよう!!」




先輩の携帯番号が書かれたメモを見ながら、ボタンを押していく。




「先輩、早く出てっ……」




背後の雨宮さんを見ないようにしながら、コール音に祈りを込める。




『はい、本田です』




出たっ!! めっちゃ早く出てくれた!!




「先輩!! 私、殺されそうなんです!!」