「視えるんです」



信頼……先輩は、私を信頼してくれている……。




「俺はキミを守る。 俺のその言葉をキミが信じてくれたら、『信頼し合える』と呼べるんじゃないかな?」




とても優しく、それでいて目は力強く。

私を守ると言った先輩は、嘘はつかない。 それを、強く感じた。




「信じ、ます」




ここまで真っ直ぐな瞳を、信じないわけがない。

それに私は……私はもう、先輩に守られたのだから。
これから先、何があったとしても先輩は私を守ってくれる。

私は先輩を信じ、そして先輩も私を信じてくれている。

それが、信頼し合っているということになるんだ。




「先輩のこと、ずっと、信じてます」

「俺もキミを信じてる」




羨ましがることなんて、なかったんだ。

だって先輩と私は、信頼し合っているのだから。


私はベッドに横になったまま、そして先輩は椅子に座ったまま、そっと手と手を重ね、微笑み合った。