「視えるんです」



ーー次に気が付いた時、目に入ったのはいつも見慣れている天井と、机や家具。

変哲のない、私の部屋だった。




「お、気が付いたか」




気怠そうな声が、ベッドの横から聞こえる。




「せん、せい……」




音楽担当、本田先輩の担任でもある半沢先生が、私の部屋に居る。




「私、どうなったんですか……?」




頭が重く、思考は鈍い。
体は動かなくて、目だけで先生を見つめる。




「何も覚えてないのか?」

「え……?」


「お前はこう、首を絞められてだな」




ーー死んだんだよ。