「視えるんです」



疑問に思いながら、先輩の手に自分の手を重ねる。

そんな私に気付いたのか、先輩は言う。

大丈夫だよ。と。




「志緒の力を消すことは、俺には出来ないけど。
でもフィルターを貼るくらいなら、実は力が無くても出来るんだよ」

「……そう、なんですか?」

「うん」




握られた手が引かれ、先輩に、抱き締められる形となった。




「目を閉じて」

「あっ……はい……」




言われるがまま、目を閉じる。

……先輩の息づかい、動き、鼓動でさえ聞こえてくるんじゃないかというくらい、近い。

きっと、私のドキドキも先輩には聞こえてしまっている……。




これから、どうなるんだろ。

ああっ……そういえば半沢先生が居るのに抱き締められちゃってるっ……!!

うわー、一気に恥ずかしくなってきた……!!




「せ、先輩……? まだ、ですか?」

「すぐ済む」

「あ、はい……」










トントン と背中を2回叩かれ、さすられ、またトントン。

その手がゆっくりと上へと移動し、首筋を通り、頬に触れた時。




ちゅっ




と、何かが唇に触れた。