「視えるんです」



……ピアノを弾き終え、先生は私を見る。

その後どうだ? と。




「……その後、って?」

「お前は本田と違って、力があるだろう?」

「あー……はい……」




力を失った翔先輩は、やはりあれ以来幽霊を視ることはなく。
逆に私は、相変わらず視えるわけで。




「正直、怖いです」




……先輩が視ていない世界を、一人で視てしまっている。
それに対する対処の仕方もわからない。

学校には力のある半沢先生が居るけど、まだその力は完全に戻っていないし……何かあったら、きっと私はどうすることも出来ない。

だからどうしようもないくらい、怖いのだ。




「……私は、本当に凄い力の持ち主なんでしょうか」

「さぁな、俺にはわかんねーよ」

「……絶対わかってますよね。 だって雨宮さんがフィルターを貼ってくれていたのに、それを取るきっかけを作ったのは先生ですもん」





だから絶対先生は知っている。
いや、知っていてくれなくちゃ、困る。




「……どうすればいいか、教えてください」




フィルターが常に外れた状態の今を、どうすればいいか。

それを知るには、先生に聞くしかないと思っている。







「簡単だろ。 もう一度フィルターを貼ればいいだけだ」