「視えるんです」





「人には視えない存在、それが幽霊だ」

「でも、雨宮さんはっ……」

「アイツも『上』へ行きたがっている。 ならば連れて行ってやる……のが、幸せと、いう、ものだ……」

「先生っ……!?」




ぐらり、先生の体が傾く。

壁に寄りかかることでなんとか倒れずには済んだけれど、息は荒く、汗も凄い。




「……いいか南沢。『気』ってのは、長くは持たねぇんだよ。
デカいモノを殺るにはそれなりにパワーがいる。
正直、ヘトヘトだ。 マジ眠ぃ……寝たら3日くらいは起きるの無理だ……」

「だ、大丈夫ですか……?」

「大丈夫だったら、俺が『上』にやる、っつーの」




目を閉じた先生は、あぁダメだ。と言葉を放ったあと、ピクリとも動かなくなった。




「せ、先生っ……!!」




スースーと気持ちよさそうに寝息を立て、それ以外の動きはない。

……どう、しよう……。


鏡の女が、先生の足にしがみついたまま私を見ている。