「これがヤツの本体だ」
右側の大きな塊に刀を突き刺し、左側の塊に視線を送る。
刀で刺された方はおぞましい声を上げながら消えていき、残された塊は悲鳴に似た声を上げながら、その身をよじらせる。
段々と、ソレは人の形となり。
最終的には、鏡の女の姿となった。
……綺麗な、人だ。
引きずり込まれそうになった時は顔を見る余裕なんてなかったけれど。
先生が居るという安心からか、今はじっくりと顔を見ることが出来る。
目鼻立ちはくっきりとしており、顔全体のバランスもいい。
その瞳はぼんやりとどこかを見つめているけれど、そんな状態でも『美しい』と、つい見とれてしまう。
肩よりも少し長いストレートの髪を真ん中で分けているけれど、それがまたよく似合っている。
……何故、自殺したんだろう?
こんなに綺麗な人でも、何か大きな悩みを抱えていたんだろうか?
何故幽霊になり、生きてるものを引きずり込もうとしているのだろう……。
そんなことをぼんやりと思っていると。
女の人が、ゆっくり私へと視線を移した。



