「視えるんです」



………

……




薄暗い廊下を、先生だけを見て進む。

横に視線を移せば、誰かが見ているような……そんな気がして、見ることが出来なかった。


生徒はとっくに帰り、先生たちも職員室に数名残ってるだけだという。
もちろん、翔先輩が倒れたことを知ってる人は私たち以外には居ない。

『幽霊に精神を連れさらわれた』と言って誰が信じるものか。
そんなことを言ったら、私たちこそ病院送りにされるだろう。

……私たち以外、知らないのだ。


その中で、迅速に片を付けなければいけない。
迅速に、先輩を救い出さなくてはいけない。

雨宮さんを、連れ戻さなくてはいけない。




「ここだ」




まるで迷路のような校舎内を進み、たどり着いたのは……見覚えのある場所だった。