「俺は.....ただ、異端者なだけだ」
それだけ答えると俺はまた立ち上がろうとした。
だが、さっきは防御姿勢をとれたはずの体はまったくというほど動かない。
不思議に思っていると、目の前の女が俺に動けなくする術を掛けていた。
「それだけじゃ、分からない」
目の前の女は俺を睨みながら言う。
何がなんでも聞きたいのだろうか、俺のことを。
俺は女の意思に折れ、すべて話すことにした。
「俺は影崎家の人間と雪鬼っていう妖怪的なものから生まれた半分妖怪人間だ。で、そのせいか日中にも強い。そのせいで命狙われたりした。それと、月宮家に許嫁がいる」
俺が一気に捲し立てると、女は考え事をするような顔をした。
てっきり俺の一族達みたいな蔑む目をするかと思ったが、そこらへんは気にしてないようだ。
「月宮家の....許嫁?」
「ああ、そうだ」
「てことは....」
俺は女の言っている意味が分からなかった。
