俺は、『影崎家』に生まれた次期当主。
『影崎家』は『影を司る者』と言われており、その通りに日には弱い。
だから、『日野家』の者とは相性が悪い。
そのため、もし俺達が『日野家』の者と結ばれてしまうと、世界が破滅すると言われている。
その点同じように闇を活動拠点とする『月宮家』とは相性が良く、
よく『月宮家』から嫁や婿を貰う奴が多い。
俺も、今回『月宮家』から嫁を貰うことになっている。
いわゆる、許嫁だ。
三大霊能力家と言われる『月宮家』と『影崎家』が闇のバランスを保ち、
『日野家』が日のバランスを保っているから世界はいい具合に保たれている。
だから、もしこのバランスを崩してしまえば人間が50年で絶滅してしまうほどの天変地異が起こる。
それほど俺達に課せられたものは重い。
そして俺の目の前にいる女。
俺が『影崎家』の人間なのに日中に動き回れるのを不思議に思ってるらしい。
そりゃそうだろうな、俺は異例中の異例だからな。
俺は『影崎家』の人間にもかかわらず日中に強かった。
だから、生まれた時から異端者扱いされるし命狙われるしで大変だった。
それに、俺は『影崎家』の父親と『雪鬼』の母親から生まれた、
半分人間、半分妖怪のようなものだ。
一族からいつも軽蔑されていた。
だが、俺は一族の中でも一番強かったから誰も俺を苛めなかった。
