家に着くなり私は布団を居間に用意し、男を寝かす。

たくさん汗をかいている。


暑そうだったから、一応水で冷やしたタオルを男の額に乗せた。


大体、あんな林から出て来るなんてちょっと....いや、かなり不自然だ。

でも、私はずっとこの男に見入っていた。


(それにしても、顔綺麗だなぁ...)


見とれてしまうほどに男の顔は整っていた。


サラサラの黒髪に白い肌。

さっきバッタリ会ったとき、見えた瞳は黒だったと思う。


(だけど、もしかしたら...)


黒髪、黒目、白い肌と言ったら私には思い当たる人物...、というか一族がいる。



三大霊能力家の1つ、『影崎家』。


あと2つは『月宮家』と、『日野家』



私は、その三大霊能力家の1つ、


『日野家』の次期当主だった。