「ほんとにすみません。」
猛省しているフリをしてペコリと深く頭を下げた。
「気にしないで。それより君が汚れてしまわなくて良かったよ。」
かなり気遣ってくれている様子を見ているとなんだか急にやりすぎたかと申し訳ない気持ちになってきた。
それもほんの一瞬の合間だけですぐにまぁいいかとさほど気にはしなかった。
「君、彼女の手が綺麗になったら新しいドリンクを手渡してあげてくれ。」
応援でもう一人ウエイターが持ってきてくれたおしぼりを手渡され自分のおしぼり手を拭いた。
そして更に仙道はすかさず零して空になってしまった私のグラスを新しいものと取り換えるよう依頼してくれた。
「かしこまりました。」
さすがは成功しているだけある。
人に対していち早く気づき行動する。
きっとモテるだろうし女性の扱いが随分上手だなという感じだ。
「お客様。ひとまず別室へご案内いたします。」
「あぁ。ではまたあとでね。」
仙道はその場が収束してきたときにウエイターに促され何でもないように手をヒラヒラと振り、ウエイターとともに席を外した。
これでしばらくはシャツのシミ取りに手を取られて帰ってこないだろう。

