「君、悪いが彼女にも何か拭くものをもらえないだろうか。」
仙道がウエイターに追加で拭くものを持ってきてもらうよう依頼した。
ぶっかけたはずみで濡れてしまった私の手を拭くためのようだ。
流石は大人だからなのか。
自分の正装ををめちゃくちゃにされても尚、ちゃんと私を気遣うことのできる余裕が窺える。
「かしこまりました。」
ウエイターが持っていたインカムでおしぼりを持ってくるように同僚に応援を頼んだ。
「お客様。もし差し支えなければ当ホテルにてシミ取りをさせて頂いてもよろしいでしょうか。」
ウエイターとしても大事なお客様をこのまま放っておくわけにいかなかったのだろう。
「それはありがたい。」
仕掛けた私が言うのも何だがここまで派手にやらかしていたらもうパーティーどころではない。
そもそもシミが落ちるのかさえも不安だ。

