「じゃ、そろそろ行こうか。」
「そうだね。そういえば、柊さんは?」
「先に会場に行ってるって。こっちだよ。」
私たちは立ち上がり、律に先導される。
「なんか慣れてない?」
「え?そう?
んー。要に連れられて一度来たことあるからね。」
「その時、要さんの親御さんに会わなかったの?」
「うん。パーティ自体は何度か要について行ったことあるけど、要の両親にはまだ会ったことがないの。」
律の緊張がこちらに伝わってくる。
今更だが、私で大丈夫なのだろうか。
柊さんもそばにいてくれるのだろうからかえって邪魔な気がする。
「ねぇ…美紅。どうしよ……。
こんなの初めてだし、気に入られなかったらどうしようって…。」
「律…。」
いつも生徒会長として全校生徒の憧れの的である律。
将来弁護士になると毎日前向きに頑張っている姿からは想像できないほどウサギのように小さくなってしまっている。
「律なら大丈夫だよ。私もついてるから自信持って。」
律の両手に触れて気持ちを落ち着かせる。
「うん…。」
それでも不安が拭い去れないのか、律の表情は固い。

