ーーー…ーー…
ーー…ーー…
ー…ーー…




「……ち……くち……起きんか菊地ーー!!」



バシッ



「イテッ…!!」


何か薄めの本か何かで強めに叩かれ、割と爽快感のある音を奏でる。


その衝撃で髪が少し乱れた感覚があり、ゆっくりと机に突っ伏していた顔をあげる。


誰だよ、人がせっかく気持ちよく寝てたのにと言葉が喉元にまで出かかったとき、視界にはいつもの見慣れた教室に、呆れた顔で私の頭に衝撃を与えたであろう教科書を丸めて筒状にしている先生とこちらに注目するクラスメイト達が入った。


そこで、ようやく今は授業中なのだと思い出す。



「俺の授業で寝るとは、いい度胸してんじゃねーか。

お前大事な時期だろ。ちゃんと自覚を持て。

大体お前はないつもいつもそうやって…………。」


小姑のように隣で先生が私を見下ろして何か言っているが、そんなことよりも未だ働いていない頭を必死に回転させて、自分の口から涎が出てないかとか顔に跡が着いていないかとかに気を取られていた。


「聞いてるのか!!きくちーー!!」


そんなことしていたらもちろん火に油を注いでいるようなもので余計に怒らせてしまった。