「捕まえろ。」
だけどその努力も虚しく、帝王がついに私を捕らえろと命令を下した。
その合図とともに従者たちが揃ってこちらに飛びかかってくる。
咄嗟にすぐそばにあったゴミ箱を男たちに向かって蹴り上げた。
すると、それが功を制したのかゴミ箱を避けようと一歩食い下がる。
その隙に男たちの急所をいくつか突いていく。
こう見えても私は空手師範の父の娘だ。女の子だからと幼いころにいくつか護身術を身に付けさせられた。当時はまさか男に囲まれるとは思いもよらなかっただろうけれど当時嫌々やっていた技術が役に立った。
比較的体格の良い男数人が地べたに這いつくばっているのを見ると何か目覚めそうになったのは気にしないでおくことにした。
男たちの隙をついてその場から立ち去ろうと走ると、今度は何者かに右腕を掴まれた。
振り返ると何とかこらえたのであろう従者の一人だった。

