「あっ。来た来た。」
そこに、一台の黒塗りの車がやって来た。
一人の男と付き人らしき男が二人おりてきた。
本日の大本命。政治家の御堂 孝雄(ミドウ タカオ)
私は、すかさずカメラのシャッターを切り、帝王と御堂が握手している2ショットをとらえた。
今日ここに来たのは、まさにこれが狙いだ。
参議院議員であり、児童支援団体を設立し、全国各地の孤児院に多額の寄付をしたり、かなり献身的に慈善事業を行って支持率を伸ばしている。
表向きでは正統派で通っている御堂がまさか裏社会の人間と繋がっているとは世間では誰も思っていない。
もちろんそれを快く思っていない人間も大勢いて、失脚を目論む連中は存在する。
そんな連中からすればこの光景は喉から手が出るほどおいしい情報であろうことは明白である。
これを売ればかなりの額になるだろう。
これで今月の返済と生活費はなんとかなりそうだ。
そうとなれば、長居は無用だ。
私は、すぐにその場を立ち去った。

