「お父さん。ただいま。」 仏壇の中央には私の父親の遺影。 お父さんは今から一年前に天国に行ってしまった。 私には、両親がいない。 元々はお父さんとお母さんの三人で暮らしていた。 子会社で働くサラリーマンの温厚で優しい父親と、家の近くのスーパーでパートをしている明るくいつも笑顔が絶えない母親。 決して裕福ではなかったけれど、それなりの生活をしていたごく普通の幸せな一般家庭だった。