「おい。無事か!?」
園長室から脱出した私を見てトシが心配そうに駆け寄ってきた。
「なんとか乗り切ったわ。」
「無茶しすぎだ。」
無事にミッションクリアできて二人とも安堵したのか、その場にへたり込んでしまった。
「助かったわ。ありがとう。」
「礼はいい。それよりなにか掴めたか。」
「えぇ。これよ……。」
園長室の秘密の部屋から拝借した《宇都宮 マキ 記録書》をトシの前に差し出した。
「これって……。まさか……。」
「持ってきちゃった。」
トシはそれを手に取って固まった。
「どうしたの?」
「…こんのバカ!?!?」
ファイルで頭を叩かれ、ゴンと我ながらいい音を鳴らした。
「痛っ!?なにすんのよ!?」
「持ってきちゃった。てへぺろ!じゃねぇんだよ。
実物持ってきてどーすんだ!?」
うん。てへぺろまでは言ってない。
「だって仕方ないじゃない。
時間なかったんだもん。」
「どうすんだよ!?気づかれたらやべぇぞ。」
「そのときはそのときよ。」
「軽率すぎんだろ!?
もっと考えて動けよ!?」
「ギャーギャーうるさいわね。
持ってきてしまったものは仕方ないでしょ!?」
耳元でで喚くものだから両手人差し指で自分の耳を塞ぐ。

