エンドロール





「随分徹底してるわね……。」


その徹底ぶりが異様のようで不気味に感じた。


ここまで徹底してるならやはりあるかもしれない。


期待を胸に棚を探っていく。


「………あった……。」


《宇都宮 マキ 記録書》


これさえ手に入ればこっちのものよ。

中を確認しようとファイルを開くと案の定、マキちゃんの情報と小宮の情報もきさいされていた。


”おい。園長が見送りから戻ってきた。

早くしろ!”


中身を確認するのに夢中になっていたらまたインカムからトシの声が流れてきた。


どうやら別媒体に記録する時間は無さそうだ。


どうしようか迷ったが私はマキちゃんの記録書を手に持ったままその秘密の部屋を出て、園長室の方に戻ってきた。

園長室の方に戻ってくるとさっきまで重苦しい空気で息が詰まりそうだったのが嘘かのように自然とスーッと新鮮な空気を肺に充満させる。


”おい。まだか!”


インカムからの声ですぐに新鮮な空気を堪能している場合じゃないと我に返った。


「わかってる。

でも、お願い。もう少し足止めして。」

”勘弁してくれ…。”


ここまできたらトシを信じるしかない。

園長室に戻ってきた私は急いで棚を動かして秘密の階段の入り口を塞いだ。

”園長。すみません。

仙道社長怒ってなかったっすか?”

”大丈夫よ。”

”ならよかった。ほんとすみませんでした。”

”気にしないで。次から気を付けてね。”



そんな会話がインカムを通して聞こえて来るがとにかく焦っているので気にしてはいられなかった。

園長室を出る間際に大き目の観葉植物の陰に小型カメラを設置し部屋を後にした。


部屋を出てすぐに鉢合わせしないように園長が部屋に入っていくのを物陰から見送ってからその場を離れた。