エンドロール




階段を下っていくと氷のように冷ややかな鉄製の黒塗の扉があり、その横にはスキャニング装置が備え付けられていた。

セキュリティ装置の一つだ。

ここで掌の指紋認証と両目の虹彩認証でこの扉が開かれるようになっているのだろう。


この警備システムも想定済みですぐ解除できるよう準備していた片手サイズのタブレットを取り出して認証装置にかざした。


3秒ほど読み込んでいたがピーっという機械音と共に扉は開かれた。


中に入るとまずきちんと整理されているたくさんの本や書類が目に入った。


部屋自体は広さも窓もなく、日の光すら届かない真っ暗な部屋にじめじめとした息苦しさを感じさせる。


今時書類なんてこの情報社会に随分と不釣り合いなやり方だなと思いながら、外部に漏れる危険性を考えたらこちらの方が安全かと一人で納得していた。


すると、とある棚に目がとまった。

そこには子どもの名前が書かれたファイルがたくさん並んでいた。

施設を出ていった順に整理されており、園長の几帳面さが窺える。


中には過去にこの施設にいた子どもたちのことが書かれており、生年月日等の基本的な個人情報から施設を出てからその後のことや現在どこで何をしているのかまでびっしり記載されていた。


おそらくこの部屋はこの施設にいた子どもたちを管理し、この施設の実態が外部に漏れないように管理するために使われている部屋なのだろう。


その証拠に子どもたちの引き取り先相手の情報もしっかり保管されていた。