「随分元気な子が入ったんだね。」
「申し訳ありません。何分まだ初日ですので……。」
「別にかまわないよ。
それより眠っているようだからまた日を改めることにするよ。」
「さようですか。」
「だからこれを。」
「これは……。」
「もうすぐ10歳を迎えるからね。些細なプレゼントだよ。」
仙道の手に紙袋が握られていて、四角い箱の様なものが中に入っていると簡単に推測できた。
また、その紙袋の入り口から包装紙がわずかに見える。
形状と大きさから察するに靴だろうとかってに予想した。
それを園長が受け取る。
「甘いものが好きだと聞いてね。
喜んでもらえると嬉しいんだけどね。」
なんだよ。食い物かよ。
ケーキは食べるだろうに甘いものはどうなんだと内心ツッコんでしまった。
「お気遣いありがとうございます。
きっと喜びますわ。」
「そうか。
では、今日のところは失礼するよ。」
「はい。門までお送りいたします。」
「あぁ。」
二人が門の方に向かってその場を立ち去ったのを確認して美紅のやつに知らせてやらねばと思い、インカムへ言葉を発そうとしたそのとき予期せぬ方向から声がした。
「こんなところで何をしているのですか。」
「………!?」
予想外の声に心臓が跳ねて、体をビクッと震わせた。
振り向くとそこには火灯が立っていた。

