「そうなんすね。
こちらこそよろしくお願いします。」
両手に抱えたかごに入ったシーツを片手で抱えた体勢に変え、握手に応じた。
だけど、さっきのあの会話を聞いた後だからなのか浮かべる笑みも差し出された手も全て胡散臭く感じた。
「ガキどもまだ寝てるっすけど、誰かに用事でも?」
「あぁ、もうすぐ10歳を迎える子がいるって聞いてね。
一目だけでもと思っていたんだが、寝ているなら仕方ないね。」
「あぁ、悪いっすね。
けど、ここのオーナーなのに会ったことないんすね。」
「りょうた先生。失礼ですよ。」
園長は戸惑った表情で、オレを示唆する。
「これは手厳しいね。」
だけど、さすがは大人の余裕なのか眉一つ動かさず笑顔でかわした。
「あ、すいません。
悪意はないんすよ。」
「別にいいよ。忙しさにかまけてここのことを三上君に任せきりなのは事実でからね。」
もはや開き直っているかのようにハハと自笑しているかのように振舞っている。
しかし、その笑いは本心なのかどうか怪しいものだ。
そして、ここからが問題だ。
さて、どうするか。
美紅に時間稼げと言われるがまま、ここに何食わぬ顔でやって来たものの、どうすればいいのか内心とても焦っている。

