「……リンちゃん……。」
扉がゆっくり開いて、顔を出したのは昼寝中のはずのリンちゃんだった。
「……今の話ほんと……?」
「リンちゃん……いつからそこに……?」
こんなところ誰も来ないと思って、完全に油断した。
「おいおい。初日からバレるなんて想定してねぇぞ。」
トシはそういって自身の頭を手でクシャクシャとかき回す。
「マキお姉ちゃんが殺されたってほんと……?」
リンちゃんは服の裾をグッと両手で掴み、その眼には涙が浮かんでいた。
その姿を見て、あぁどうあってもこの子を巻き込んでしまうのは免れないのかと思うとこの環境を創り出した仙道や御堂とこの試練をこんな小さな女の子に背負わせた神様を恨んだ。
このまま何も知らず、純粋無垢のまま希望を抱きながらここを出て立派に成長してほしいという願いは届かないのかと行き場のない悲しみと怒りを心に無理やり仕舞い込んだままリンちゃんをそっと抱きしめた。

