「……わ、悪い……。
別にそんなつもりじゃなかったんだけど…。」
泡だらけのの手のまま今度は鏡越しではなく振り向いて彼女の姿を直接見ながら言葉を発した。
「すみません。違うんです。」
布団をぎゅっと握っている姿がなんだか怯えているようにも見えた。
「お願いです。この事は園長先生にも誰にも言わないで。」
「…あ、うん。わかった。
大丈夫。誰にも言わない。」
「…………。」
ようやく流しっぱなしの蛇口の水で手の泡を落としていく。
手が綺麗になると濡れた手を洗面台に掛かっているタオルで水分をサッと拭く。
若干、まだ濡れている感じもするが大体拭けたので気にしない。
今はとにかくこの状況をなんとかしなくては。
そのまま、真っ直ぐベッドの傍に置いてある椅子に座り彼女に話しかけた。

