まさか部屋から付いてきていたのだろうか。
「ボスってだれn…「あー!?何のことだろー!?」
咄嗟に子どもの後頭部を右手で掴み、左手で口を押さえた。
「……!?」
オレの声に驚いたのか、瞳孔が開いて涙目になっていた。
その表情を見て少し咄嗟のこととはいえ、驚かせすぎたかと少し申し訳ない気持ちになり、口を塞いでいた手をゆっくりと放した。
「悪い。驚かせたな。」
警戒心を解きほぐして安心してもらおうと子どもの目線までしゃがみ込んで頭をゆっくりと撫でた。
すると、その表情から警戒心が消え頭を撫でるオレの顔をジッと見てくる。
「お前、名前は?」
「らいと!!」
さっきまで涙目で怯えていたとは思えないほど、元気いっぱいに笑顔でオレの問いに答える。
「そうか。らいとか。
いい名前だもらったな!」
「うん!」
子どもというのはなんと単純で純真無垢な生き物なのかと思った。
「よし!らいと!男と男の約束だ。」
「おとことおとこのやくそく…?」
「そうだ。今、聞いたことは誰にも言うな。」
「なんで?」
そして、相手の言葉に隠された意図を汲み取らずに己が感じた事そのまま言葉にする。
だからこれ以上何も聞くなというオレの裏の言葉にも全く気付かず純粋に聞き返してくる。

