「園長先生。
どうされました?」
悟られないよう毅然に振る舞う。
「この後、子どもたちの講義を行うの。
資料を準備したいのだけれど、ここが片付いたら資料室の方手伝ってもらえるかしら。」
「わかりました。」
園長先生はそれだけを言うと部屋を出て行ってしまった。
「おい。
今の話聞かれたか。」
後ろから小さな声でトシが話しかけてくる。
「大丈夫よ。
心配しないで。」
「恥ずかしがり屋の無口って設定はどこいった。
焦る気持ちはわかるが、気づかれたら面倒だぞ。」
「わかってるわよ。」
確かにそういう設定があったのすっかり忘れていた。
子どもたちを目の前にして、この子たちを己の私服の肥やしにしているやつがいると思うといてもたってもいられなかった。

