「店長。」
「ん?」
バックヤードを覗くと、今日の売上の精査をしているのか伝票片手に電卓を叩いていた。
「いえ、店長に連條という方が来られているのですが……。」
お客が来ていると伝えると、伝票を数えていた店長の手がピタリと止まった。
「店長?」
だけど、止まったのはほんの一瞬ですぐにまた伝票を数え始めた。
「悪いんだけど、今はいないと伝えてくれる?」
「……はぁ…。」
いつも通りに振る舞っているが、一度もこちらを見ない店長が気になりつつ、どういうことか全くわからないまま連條と名乗る男の元へと戻る。
「いない?」
「はい。」
店長に言われたまま男性に伝えた。
「…………。」
すると、男は自身の顎に手を添えてしばらく考え込む素振りを見せた。
嘘だとバレないかヒヤヒヤしながら、相手の出方を待つ。
「少し、失礼するよ。」
少し黙り込んだかと思えば、連條と名乗る男は突如私を押しのけてバックヤードの方へ突き進む。
それに続こうと強面の男性二人も連條に付いていく。
「あ、ちょっと…困ります…。」
反射的にそれを引き留めようとするが、見事に押しのけられて体勢を崩し、その場でよろめいた。

