リンちゃんは子どもたちの中でもお姉さんで比べてコウくんはまだ甘えたがりの男の子。
なんだか目の前の二人が姉弟のように見えた。
「だって、お腹いっぱいなんだもん。」
「お腹いっぱいなら仕方ないね。」
「みさき先生、ダメだよ!
単ににんじん食べたくないだけでしょ!
コウ。食べないと大きくなれないよ。」
「だってまずいんだもん。」
上目遣いに目を潤してこちらを見てくる。
そんな表情にコロッといっていまう私は案外単純なのだろうなと思う。
「そんな顔してもダメよ。
ちゃんと食べな!」
コウくんが駄々をこねるような声を出しながら懇願するも、9歳のお姉さんには届かなかったみたいだ。
コウ君が恐る恐るスプーンでにんじんを掬い上げ、口に運ぶ。
私はそれを頑張れー頑張れーと念じながら見届けた。
パクリと目をぎゅっと瞑って口ににんじんを入れるとゆっくり咀嚼していく。
ゴクリと飲み込んだ後、目を開けてリンちゃんを見る。
「うん!よくできました。」
リンちゃんは満足した笑みでコウ君の頭を撫でて、褒めた。
コウ君は嬉しそうに空になったお皿を眺めていた。
その光景を見て、暫く忘れていた純粋な感情が呼び起こされたようなそんな気持ちになった。

