「お前、あそこがどんなところかわかってるのか。

いくらお前でもそんな簡単に上手くいくかよ。」


「簡単じゃない事はわかってるわ。

だけど、これしかないの。」


「だったら他のやつに行かせる。

お前が行く必要ない。」


「ダメよ。

あそこのセキュリティは並大抵のものじゃないわ。

私でないと突破できない場面も出てくるはずよ。」


確かに、今のうちには美紅ほどのネットワーク技術に長けている者はいない。




「そもそも、オレに守れと泣きついてきたのはお前だろ。

そのお前が今度は敵地に行くだと?

勝手が過ぎるな。」


「…それは申し訳ないと思ってるわ。だけど、時間がないの。

ここで二の足を踏んでいたら、また犠牲者が出るわ。」