エンドロール





「今度はどんな厄介ごとに首を突っ込んでいるかは知らないけど、律を巻き込むことだけはしないでくれよ。

たとえ匡や美紅ちゃんがどうなろうと律に危険が及ぶようなことがあれば容赦しないから。」


いつも掴み所のないのらりくらりとしていて、蚊も潰さぬような紳士的な顔をしているのに、電話口から聞こえてくる声はいつもより少し低くて冷たく、虎を射るような表情をしているのが目に見えるようだった。


「相変わらずだな。」


そんな声を聞いたのは久しぶりで、あぁそんな奴だったなと思い出させる。


「当たり前だろ?

この先どんなに状況が変わろうとも、律にはこんな汚い世界を教えるつもりはないから余計なことは言わないでね。

あと、美紅ちゃんにもどんなに律に迫られても言わないように躾はちゃんとしておいてよ。」



「だったらお前がしっかりその彼女とやらの手綱握っとけ。」


「言われなくても躾はちゃんとするさ。余計な事考えないようにね。」


「お前だけは敵に回したくねぇな。」


「それは光栄だね~。

裏社会の帝王からお墨付き頂いちゃったよ~。」


実際オレよりかお前の方がよっぽどタチが悪いんだがなと思いながら言葉にはしなかった。