「見え透いた建前を言っていても、その顔を見れば明らかに何か企んでる顔だってことはわかるわ。」


「さすがは美紅。」


さては初めからこれを狙っていたのだろう。


「実は、生徒会のパソコンが動かなくなったの。

機器自体は別に新しいものを買えばいいのだけれど、パソコンには来期の各部の予算案が入っているのよ。なんとかしてデータだけでも復元できないかしら。

美紅、機械いじりは得意分野でしょ?」

「見てみないことには何とも言えないけれど、やってみるわ。」

「ほんとに!?ありがとう!!美紅大好き。」

律が私に勢いよく抱きついた。

それを受け止めた私は後ろによろめく。

これくらいならこんな回りくどいやり方をしなくてもそれくらい律の頼みなら受けたのに。

恐らく私が素直に律に甘えないと思ってわざとこういうやり方に出たのだろう。