「その方が手っ取り早くていいだろ。」
(……ん?なにが?)
全く何もわからない。頭がついていかない。
「オレの愛人になるなら保護してやる。」
「なんでそうなるの?」
私を守る為代わりに私の能力を使わせる。
それで交渉は成立したはずだ。
なぜここで私が裏社会の帝王の愛人になるという話になるのか皆目見当もつかない。
「そうでなければこの話はなしだ。」
「いや、ほんと意味わかんないんだけど。」
守る名目が必要なら水嶋金融の人間ってことで良いのではなかろうか。
私は試されているか、からかわれているのかと疑ってしまうほど、終始困惑を隠せないでいる。
「やるかやらないかさっさと答えろ。」
だけだ、水嶋匡は真っ直ぐこちらを見据えている。
その瞳は一切冗談や戯言なんかじゃない。至って真剣なのだと語っていた。

