それに全然目を合わせてくれない。


「単刀直入に言うわ。

私を保護して。」


「何を言い出すかと思えば……。

話にならんな。」


「別にタダでなんて言ってない。

今あなたが欲しい情報をあげる。」



「寝言は寝て言え。お前に何ができる。」


全く興味を持ってもらえず、一向に新聞から目を離さない。


ただの小娘だと思って気にも留めていないのだろう。


「一ノ瀬研究所。

と言えばわかるかしら。」



「……なに?」


ようやく新聞をめくる手をピタッと止め、顔色を変えた。

やはりそうか。


水嶋 匡も一ノ瀬研究所の存在は既に認識済みのようだ。

御堂と水嶋 匡が顔見知りの割には御堂側は水嶋を警戒していた。

少なくとも互いに味方同士ではないことは予想できる。


問題はどこまで掴んでいるかだけど……。