「ブーッブーッブーッ!!」

画面に警告の文字とアラーム音が鳴った。


「チッ……。気づかれたか。」

厳重なセキュリティが張られているサーバーに入り込もうと試みたがどうやら警備システムに触れてしまったらしい。

すかさず、こちらの追跡されまいと急いで足跡を消して退散する体制をとる。


部屋にはパソコンのキーボードを叩く音とと時計の針の音が響き緊迫な空気が流れる。



「フゥーッ……。」


額に汗をかく攻防戦であったがとりあえず一段落つき、肩の力を抜いた。


だけど、なんとか足跡を消して逃げ切ったものの少しまずい状況になってしまった。


少なくとも探りを入れている存在がいることに感づかれている。


こちらの正体が気づかれるのも時間の問題だ。


何か手を打たなければこちらに危険が及ぶかもしれない。


そこで頭に浮かび上がったのは一つの案だった。


普段の私だったら絶対に選択しないだろうがこのときはとにかく必死で冷静な判断ができていなかったのだと気づくのはもう少し後になってからである。