「…あの、先輩?」


 俺の腕を掴む女の子の声で我に帰る

 
「え?あ、うん…」


 けれどまだ頭がぼうっとしている

 
 
 その子の方を見ながら話していても

 視界の端でどうしても男を追ってしまう


 そのことに気付いたのだろうか

 スッと男が立ち上がって、
 そのままふらりと店を出て行った