意地悪な王子様


「柚葉ーー。」

一人で掲示板を見に行こうとしてた時、後ろから声をかけられた。

「彩理ー!」

声をかけたのは、親友の木佐貫彩理(キサヌキアヤリ)。
高校からの友達で、私の1番の理解者。
美人で気が強くて負けず嫌いな、お姉さんみたいな女の子。
私にとって彩理は、すごく大切な存在。
悩み事やくだらない話まで嫌な顔ひとつせず、ちゃんと聞いてくれる。
高校からなのにお互いに気を遣わなくていいから、楽なのだ。

「柚葉と同じクラスがいいなぁ。」

「私も私も!彩理いないと無理だから。」

嬉しいことを言ってくれるね、彩理。

「でも、なっつんとあーちゃんとかとも同じクラスがいいねー。」

仲良しグループの子たちだよ。

「ねー。」

そんなこんなで、掲示板の前まで来てしまった。