授業終了を知らせるチャイムの音と同時に、あたしは財布を持って教室を出た。


向かった先は、売店。


「なんか、残ってるのない?」


売店のおばちゃんに尋ねると、クリームパンを差し出された。


ーーーまあ、いっか。


あたしは金を払って、クリームパンを片手に売店を去った。



上履きのまま外に出て、体育館の裏へ回る。


体育館と外を繋ぐ3段しかない短い階段。

ここが、今のあたしのサボり場だ。



前は屋上だったけど、鍵を変えられて以来あたしは入れなくなった。

新しい屋上の鍵を盗み出すまでは、ここで我慢するしかない。



クリームパンを頬張りながら、なんとなく空を見上げた。


ーーー綺麗。

雲一つない真っ青な空。



すると、あたしの目の前から空が消えた。