次の日、あたしはいつものように昼休みに登校した。


いつもサボってばかりの荒木が、今日もサボっていますように。

心の中で願わずにはいられない。


履き潰された上履きをスリッパ履きして、階段に向かった。


その時、後ろで物音がした。


振り返ると、あたしと同じく昼登校してきた人物の姿。


ーーー最悪。荒木だ。


あたしと同じくスリッパ履きをして顔を上げた荒木。

あたしに気付いて目が合う。


タイミング、悪。


「桜庭、お前も昼登校かよ」


ーーー荒木もでしょ。

学校に来て1番に荒木の顔を見るなんて。


「サボればよかったのに」


あたしは荒木の返事を待たずに、階段を駆け上がった。


ーーー今日学校来るんじゃなかった。


大きなため息をついてから教室に入った。