今度はいきなりのキスじゃない。
拒否ろうと思えば、余裕で拒否れた。
ーーーでも…。
あたしは嫌じゃなかったのかもしれない。
荒木を男として意識してしまったから。
拒否ることなく、荒木のキスに応えた。
唇が離れた瞬間、驚いた顔をしたのは荒木。
荒木でも、こんなに驚く顔するんだ。
いっつもデカい態度で威張ってるくせに。
なんだか可笑しくなって、あたしは笑った。
そんなあたしに、
「お前、今日から俺の女だからな」
荒木が小さく呟いた。
ーーー臨むところだ。
「じゃあ荒木は今日から、あたしの不良彼氏ってわけね」
そう言って、あたしの不良彼氏に笑った。

