21時
後ろから
首もとにてを伸ばし、しずくを抱っこした
「わぁあ、カイタ!」
しずくはめちゃビクンとしてこっちをみた
「描けたか?」
「うん、ちょっと進んだよ」
しずくの顔をジーっと見つめた
「…あのさ、さっきの涙」
「しらない」
涙の理由、わからないのか?
「なんかね、ゴミ箱みたら、泣けてきちゃった…なんとも思ってないんだよ?それなのに、なんか、よくわかんないね(笑)」
なんだかその笑顔は、俺の目にはとても寂しく写った。
「私、もうねるね。おやすみカイタ。」
「おやすみな。」
蛍光灯がつけてある。
実体化してるから漫画も1人でめくれる。
その漫画をよんだ
内容は…
“伝わらない。
どんなに伝えても、
その気持ちは伝わらないみたい
…だったら
私は要らない子なの?
あの人にとって”
そのメッセージはある女の子が
母親にあてたメッセージだった。
…そうか
俺は実体化しているから
今は見に行けないけど…
しずくが置いていた紙…
捨てられてたんだな…
自分の涙に
気づかないなんて
毎回ああやって
ありがとうって書いた紙を置いて
捨てられて
傷ついて
それに慣れてしまったってことなのか…
切ねぇな…
そんな綺麗な気持ちも受け止めてもらえないなんて
「…俺は、好きだよ、お前のそういうとこ」
だから安心してくれ
そうおもって、
強く思って
しずくの布団のなかに入った
春の夜はまだひえる
俺はしずくに背中を合わせて、
一緒に眠った。
…………
