「好きだったんですよね?
廉さんのこと」
夏妃さんが笑う
「ホントあんたたちって嫌な後輩
いいのよ別に
あいつらが幸せなら
じゃあ波夏明日からハードスケジュールだからね」
「はぁい」
分かってますよ
「貴重な夏休みの夜を楽しんで~」
まだ夜じゃないんですけど?
夏妃さんがひらひらと手を振って歩きだす
生温かい風があたしと秦の間を抜ける
握られたままの手はかなり汗ばんでる
でも二人だけの空間がただ心地よかった
「どっかいくか?」
「例えば?」
「んー……
どこ?」
「使えねぇな」
「うっせぇ」
目的もなく歩き始める



