「こんなに?!」

目の前に山積みになった書類を見ながらあたしは言う


「さすがに波夏でもここまでは知らなかったか」

兄貴がそう言って笑う


「廉は大学入ってやっと教えてもらったくせに自慢げにしないの」

隣で夢ちゃんが言う



いやいやいやいや

あたしも大学で良かった気がする



「ちなみに廉がやった時よりも倍くらいに増えてるから」


母さん鬼



夏休み初日


桜グループの会長室に呼ばれたあたしの目の前に積まれた書類


母さんがやってる表事業を頭にいれろって言われてもこれは多すぎる


それに山積みの書類にプラスしてUSBが10本以上あるんですけど…



「んでこれをどうしろって?

ただ頭に叩き込むだけじゃねえんだろ?」



「よくわかってるわね

やってもらうのは来年始まる新事業のプランを提案すること」



「「はぁ?」」



兄貴と声が重なる