「すみませんでした」
落ち着いてから夏妃さんに言う
夏妃さんは首を横に振った
「あたしもそうだったから」
「夏妃さんも?」
「うん
ずっと廉を想ってるつもりだったのに
気が付いたらそれが義務みたいになってて
そう思わない自分が嫌で
認めたくなくなってた
でもさ、人って叶わないって分かってるものを追い続けるのって無理なんだよ
まぁもしかしたら叶うのかもしれないけど
あたしたちはそれを願っちゃいけない」
「そうですね」
「別にあたしたちが誰を想うのかは自由じゃない?
鈴だって一般人を巻き込んだし
廉に至っては黒崎の娘を招き入れた
だからあたしたちが廉や波夏を想うのは義務じゃない
そう考えたら楽になった」
そう話す夏妃さんはとても穏やかそうに笑う



